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泉谷顕縦塾長の地頭力コラム

「コンピューテーショナル・シンキング」の土台となる「算数」の重要性

塾長 泉谷顕縦

塾長 泉谷顕縦

2023/08/04 公開

2023/08/30 update

「算数」と「数学」

世界中で「算数」と「数学」を区別している国は日本だけかもしれません。

日本の「算数」では、未知数XとYは使いません。鶴亀算などの特殊算や仕事算で解きます。
海外では、日本の「算数」にあたる科目を「mathematics for eremenntary」と言います。日本語だと、「小学校の数学」という意味です。
つまり、海外では小学生から「数学」を段階的に習うのです。

「受験算数」で求められる真の「算数」能力

また、日本の難関私立中学の受験を経験された方はご存知だと思いますが、一般的な小学校で習う「算数」と難関私立中学受験で問われる「受験算数」には大きな隔たりがあります。

正直、計算が早いだけでは通用しない領域が難関私立の中学受験では出題されます。
では、その差は何なんでしょうか?

つまり、単なる計算力だけではなく、高度な思考力が問われているのです。
前回のブログ「プログラミングの重要性」についてお話しした通り、「算数」の難問を解いた後に「思考のプロセス」を説明できる能力が問われているのです。
簡単に言えば、未知数XとYを置かずに量感をイメージしながら特殊算が解けるかどうか?が試されているのです。

この辺の力を強化するためには、幼児期からの正しい日本語の理解と読解力の養成が重要です。
さらに、何でもかんでもすぐに計算するのではなく、計算する前に「何が問われているのか?」と一旦踏みとどまって答えの量感をイメージする力が重要です。

公式やテクニックを丸暗記して、「ただ公式に数字を入れたら勝手に答えが出た!」とか「なんとなく計算したら答えが出た!」とかは、本当の力ではありません。
答えを出すまでのプロセスをきちんと自分の言葉で説明できる力が真の「算数」能力なのです。

小4ぐらいで中学受験塾の算数についていけなくなる子ども達の特徴は、計算が早いだけで、量感がまったく育っておらず、文章問題が解けないという点です。
幼児期から大量の計算ドリルで処理能力ばかり訓練された子ども達は地頭の鍛錬が疎かになっているのです。

経済協力開発機構(OECD)が公表した、世界79カ国・地域の15歳を対象とした2018年に実施された国際学習到達度調査(PISA)では、「日本は読解力が前回(2015年調査)の8位から15位と大きく後退したほか、数学的応用力が前回の5位から6位に、科学的応用力も2位から5位に順位を落とした。」とのこと。
文部科学省では、読解力の記述式問題などで課題が浮き彫りになったとみて、学力向上策などを検討しています。

「コンピューテーショナル・シンキング」

また、OECD(経済協力開発機構)では、学力水準の維持・向上を実現する教育政策の指標を作ることを目的として、2000年(平成12年)から実施している学力調査テストであるPISA(学習到達度調査)プログラムにおいて、2021年より数学分野に「コンピューテーショナル・シンキング」についての項目を追加しました。

2021年に実施されたPISAの数学に関するテストでは、論理的な考え方や問題解決能力といった、「コンピューテーショナル・シンキング」を測る問題が追加されました。PISAは、データサイエンス、サイバーセキュリティ、ネットワーク、機械学習、ロボット工学など、幅広い側面を持つコンピュータサイエンスの基礎となるのが「コンピューテーショナル・シンキング」であることを、その理由として挙げています。

そのほか、2021年のPISAテストでは、より広範なコンピュータサイエンスに関する知識や能力を調べるテストや、実施が必須ではないオプション調査として、学生に対してはプログラムの作成能力、プログラムの問題点を特定する能力、問題を分割する能力などアルゴリズムに関する問題、学校に対してはコンピュータサイエンスがカリキュラムにおいて優先事項であるかどうか、コンピュータサイエンスに関するカリキュラムへの学生の参加や需要がどう変化したかを尋ねる質問も出題されました。

OECDでは、2021年のPISAテストが、国家が教育プログラムにコンピュータサイエンスを取り入れる方法を明示的に調査した、最初の研究になると見込んでいます。
2021年度のPISAテストの結果は2023年12月ごろに発表されるとのことです。

幼児期からの「地頭力」づくり

論理的な考え方や問題解決能力といった、これからの時代に必要とされる「コンピューテーショナル・シンキング」を養うには、幼児期からの算数を切り口にした地頭力づくりが最も最適です。

ぜひ、プラチナム学習会の「地頭力算数コース」と「ロボットプログラミングコース」で地頭を鍛えて下さい。
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塾長 泉谷顕縦

塾長 泉谷顕縦

プラチナム学習会塾長。 21世紀に生きる子どものための幼児教育教室。 大阪を拠点に東京や全国に展開しています。

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