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上席顧問津田克彦先生のブログ

ブログ第8回「親の関わり方」

上席顧問 津田克彦

上席顧問 津田克彦

2021/10/23 公開

2021/10/31 update

 プラチナム学習会顧問の津田克彦です。ブログ第8回をお届けします。

 秋も深まり、朝夕はずいぶん涼しくなってきました。小学校では運動会や遠足の季節です。緊急事態宣言も解除され、感染者数も少し落ち着いてきました。学校も少しずつ平常を取り戻しつつあると聞きます。運動場での声援や、郊外での子ども達の声が聞こえてくるのを楽しみにしています。

 さて、今回は「伸びる子に育つ」というテーマの第5回目、今回も「伸びる子に育つ家庭」をテーマに、お話していきたいと思います。

 

伸びる子に育つための親の関わり方

子どもにとって父親(的)の存在とは

➀父親にも求められる育児の分担

 前回は、主に、子どもにとっての母親の存在について、お話をしましたが、今回は「父親の存在」について、お話したいと思います。

 近年「育児の分担」が叫ばれ、以前だったら、母親にすべてを任せていた子育ても、父親が分担するようになってきました。育休も「母親の権利」だったものが、最近ではお父さんが「育休」を取るケースも少しずつ出てきています。とは言え、日本の社会では、まだまだ母親の負担が大きいのが実情でしょう。ある文献に「母親の意識の変化」という調査の結果が載っていました。戦前のお母さんと、戦後(近年)のお母さんの「育児」に関する意識の違いを表したものです。例えば「育児は疲れる?」という問いに対して、戦前世代は62%のお母さんが「はい」と答え、近年世代では63%のお母さんが「はい」と答えており、そこに差はありません。ところが「育児は女性の義務?」という問いには戦前世代が56%が「はい」と答えたのに対して、近年世代は18%、「育児のためにやりたいことができない?」では、戦前世代は24%が「はい」に対して、近年世代は70%が「はい」と答えています。「父親の育児への協力を求めたい?」では、戦前世代は40%が「はい」と答えたのに対して、近年世代では「86%」が「はい」と答えています。これを見てもわかるように、母親は、父親が思う以上に「子育てへの協力、分担」を求めているのです。

 

②変わりつつある「父親像」

 戦前の日本では「地震、雷、火事、親父」という、最も怖いものを指す言葉がありました。それぞれの家庭において、父親(家長)が一番怖く(強く)、文句を言えない存在だったのです。(親父には「大風(台風)」を指すという説もあります)ホームドラマなどでも、父親が、腹を立てて卓袱台をひっくり返す場面などが流れていました。「父親は厳しく、母親は優しい」というイメージが崩れ出したのはいつごろでしょう。「厳父慈母」から「甘父干母」へ変わったと言われ始めて、かなりの年月が経っています。にも関わらず、いまでもお母さんに「お父さん、この子に厳しく注意ください」と、厳しいお父さん像を求められているのです。ところが、厳しく接することの苦手なお父さんが増えています。「優しいお父さん、理解のあるお父さん」が、子ども達に人気(?)があり、我が子と、どのように接すればよいのか分からないお父さんも多いと聞きます。

 

③いま、求められる「父親像」

 子ども達は「お父さんは優しいから好き!」と言いますが、中高生ぐらいになると、「頼りになる存在」として感じているかどうかは疑問です。前回のブログで「父親的・母親的・兄弟姉妹的存在」というお話をしましたが、家庭の中で「決断を下してくれる存在」を、子ども達は求めています。子ども達も、お母さんも、お父さん(父親的存在)には、家庭内で、そのような存在であってほしいと願っています。そのためには、お母さんが、お父さんの「父親的存在」を崩すような言動があっては困ります。子どもの前で、お父さんを貶す発言などは絶対に避けるべきです。(お母さんに対する発言も同じです)お母さんにも、お父さんの「父親像」を高めるための接し方が求められているのではないでしょうか。

 

④小1の壁

 「小1の壁」という言葉を、よく耳にします。園児から小学生に進学した子ども達が、園と学校との違いに戸惑うことを言います。しかし、「小1の壁」は親にも当てはまるのです。

 現在は、たくさんのお母さんがお仕事をされていて、また責任あるポストについておられるお母さんも多くなりました。ところが学校現場では、まだまだ、お母さんの置かれている環境を理解できていないのが現状です。社会もまだまだ理解が十分ではありません。「小学校に入学したから、もう、子ども一人にしても大丈夫だね」なんて、会社で言われたなどの声も聞こえてきます。

 最近は、災害などでの緊急の下校やお迎え、行事等の急な変更が増えているのです。コロナによる休校やリモート授業などは、まったく想定外の出来事でした。子どもが小学校に入学したことで、園の時代より、保護者に予想以上の負担がかかり、戸惑うことも多いでしょう。小1の壁は、子ども達だけの話ではなく、お仕事をされているご両親の壁でもあるのです。

 もちろん世の中も少しずつ変化はしてきています。学校の学童や、民間の預かり施設も増えてきています。お父さんの育児休暇も少しずつ取りやすくなってきていると聞きます。しかし、お母さんの置かれている環境を、社会はまだまだ認識できていないように感じています。社会が環境の変化に追いつくためには、まずお父さんから、子育てに対する意識を変えていく必要を感じます。「仕事中心」、「仕事をバリバリするのが男の役目」と考える父親を見て育ってきたお父さん方です。まだまだ「育児は母親の役目」と考えておられるお父さんも多いのではないでしょうか。最近は、急なお迎えの時に、お父さんが来られることも増えました。家事の手伝いもしておられるとは思います。子ども達への、ゆとりある子育てのために、父親の子育てに関する力の重要性を世の中が認識し、定着することを願っています。

 

〈つぶやき〉のコーナー「国民総マスク着用」

 コロナの流行で、一時はマスクの不足が不安視されましたが、最近では、いつでも、どこでも買うことができるようになりました。そういえば安倍首相の時代に、国からマスクが2枚ずつ配られましたね。いまでは忘れかけている人も多いのではないでしょうか。

 私は、週に2回ほど、梅田などの繁華街を通ることがあります。緊急事態宣言が出ていたころはもちろん、解除された今でも、町を歩く人は全員マスクを着用しています。真夏の暑い時でも同じでした。そんな様子を見るたびに、日本人は本当にまじめな国民だなと感心します。今後、マスクの着用はどのようになっていくのでしょうね。関係機関から「着用しなくても大丈夫です!」という宣言が出るのでしょうか。それまでに、自然発生的に、着用しない人が出始めるのでしょうか。

 最近、私は、マスクをして外出することで、なぜか安心している自分に気づきました。もちろん、コロナ対策が一番の理由ですが、それ以外にも、鼻から下が隠れることで、他人の目が気にならない(悪いことをしているのではありませんよ)、そんな気持ちがあるように思います。覆面をしているような感覚なのかもしれません。みなさんはそんなことはないのでしょうか。マスク着用が解除されたとき、マスクを外して歩くことに抵抗を感じたらどうしましょう!

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上席顧問 津田克彦

上席顧問 津田克彦

元私立小学校校長、元大阪府私立小学校連合会会長。 プラチナム学習会では保護者相談、進学指導、及び、「小学校受験対策集団コース」を担当。元私立小学校校長の長年の経験を活かした、噂に左右されない本質的な指導で万全の準備を進めます。特に小学校入学後に後伸びできる子ども達の指導に努めています。

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