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上席顧問津田克彦先生のブログ

ブログ第1回「小学校教育のこれから」

上席顧問 津田克彦

上席顧問 津田克彦

2020/12/16 公開

2021/10/31 update

 プラチナム学習会顧問の津田克彦です。今月からブログを立ち上げることにしました。現在、幼児を育てておられる保護者の皆さんを対象にわかりやすくお話していきます。子育ての難しい時代、より良い子育てを目指す保護者の方々や少し不安を感じておられる保護者の方々に少しでも役立つお話をお届けできたらと思います。

 さて、はじめに取り上げるテーマは「小学校への準備」です。第1回目の今回は「小学校教育のこれから」についてお話していきましょう。

「新しい小学校教育」

 今年、小学校新学習指導要領※1がスタートしました。今回の改訂は、今までにない大きな改訂と言われています。改定のポイントを簡単に説明すると、日本のグローバル化(国際化)に伴い、英語力の強化を目的とした「英語科」の導入、AI化が進む国際社会に取り残されないようにタブレット端末やパソコンを活用できるようにする「ICT教育の強化」、さらにプログラミング的思考を育てるための「プログラミング教育の必修化」、いじめ問題などを受けて「道徳科」の導入などです。また、先生の教え方についても、長い間続いてきた教師主導型ではなく、子ども達が主体となって学ぶアクティブラーニングを取り入れた教え方に変わります。(新学習指導要領について詳しく知りたい場合は文部科学省のホームページをご覧ください) 

 学習指導要領改訂を受けて、小学校教育はどう変わるのでしょう。「主体的・対話的で深い学び」を実践していくために、学びの主体が子ども達で、先生は支援者の立場となります。 

 子ども主体の授業の展開には先生のより高度な指導技術と授業計画が必要です。授業の一例として、子ども達が事前に調べてきたこと、あるいは学校でタブレットなどを利用して調べたことを持ち寄り、グループで話し合い、それをみんなの前で発表する形などが考えられます。そのためには、自ら学ぼうとする自主性や、友だちと協力しようとする協調性、話し合うためのコミュニケーション力や、みんなの前で発表する力などが求められます。それらの能力の基礎は、幼児期に身につけておくべき非認知的能力※2と呼ばれるものです。

 道徳科の導入では、「評価」がどのようになされるのか。今のところ道徳科は記述式の評価とされています。子ども達は評価のために何をどのように努力すれば良いのでしょう。英語科の問題は指導者の力量が問われることになります。ネイティブ教員を配置できる学校はそれなりの高い質の授業を提供できますが、そうでない学校は担任が指導することになります。ICT教育に関しては、今までは端末(タブレットなど)の配置と通信環境の充実が問題でしたが、コロナによる自粛期間中に多くの学校がリモート授業を導入しました。文部科学省も「一人一台の端末」の早期実現を目指しています。コロナの流行で端末環境の整備は早まるでしょう。また、どのように活用していくかなどのソフト面も研究が進められています。現在の幼児が小学校で学ぶころには電子教科書の導入も含め、ICTを活用した授業が一気に進むでしょう。保護者への連絡なども、今までのようなプリントではなく、メール等で配信されるようになると思います。「プログラミング教育」も必修化されたので、各学校が工夫をして取り組むと思われますが、決してロボットによる学習だけが「プログラミング学習」ではありません。プログラミング的思考力を育てる授業すべてがこれに該当します。

 新学習指導要領がどのように展開されるか楽しみにしていたのですが、コロナによる自粛でスタートから躓いてしまいました。現場の先生方は、この3か月の空白と新しい学習指導要領の導入で苦労されていると思いますが、子ども達のために頑張ってくださることを期待しましょう。

 

※1「学習指導要領」

 文部科学省が告示する小学校教育における教育課程の基準。全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準で、10年に1度、改訂される。教科書や時間割などは、学習指導要領を基に作られる。

※2「非認知的能力」

 IQなどのように数値化できる能力(認知能力)ではなく、数値で測ることのできない能力をいう。例えば「頑張る力」「人とうまく関わる力」「感情のコントロールする力」など

 

<つぶやき>のコーナー

 今年の3月で46年間の教師生活に終止符を打ち、4月から、晴れて(?)隠居生活に入りました。「やりたいことリスト」を作りましたが、自粛期間中なので何も実現できず、それならばと「家でできる楽しみ」を考えました。その一つが、退職した男性の多くが一度は挑戦してみる料理です。私は生まれてから今まで、一人で生活した経験がなく、全くのはじめての挑戦です。まずはレシピ本を買い、調理器具(圧力鍋など)も揃えました。前日にはメニューを決め、午後3時ころから準備を始めます。はじめに戸惑ったのが、二つの料理を同時に作ることです。別々に作るとはじめに作った料理が冷めてしまい美味しくなくなることを知りました。夕食の時間もまちまちになり、早くできてしまったときは5時ごろから、うまくいかなかったときは8時ごろ(結果的にはピザを注文)になりました。そんな生活が半年ほど続いた今、改めて世の主婦の凄さに気づきました。それは、何年も毎日料理を作り続ける凄さです。毎日、献立を考え、栄養のバランスも考慮し、さらに子どものお弁当まで作るなんて、私に言わせれば神業です。若いお父さんはお料理をなさる方も増えてきているようですが、まだまだ料理はお母さんが中心でしょう。お父様方、どれだけ大変なことか理解し、「美味しいね!」と積極的に言葉をかけてみませんか。

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上席顧問 津田克彦

上席顧問 津田克彦

元私立小学校校長、元大阪府私立小学校連合会会長。 プラチナム学習会では保護者相談、進学指導、及び、「小学校受験対策集団コース」を担当。元私立小学校校長の長年の経験を活かした、噂に左右されない本質的な指導で万全の準備を進めます。特に小学校入学後に後伸びできる子ども達の指導に努めています。

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