泉谷顕縦塾長の地頭力コラム
Japanese Math 「算数」で地頭を鍛える
2021/02/20 公開
2025/05/13 update

江戸時代の教育力
江戸時代の日本では数学が大流行し、庶民から武士まで数学を楽しんでいた。江戸時代の識字率は世界一だったと言われている。 庶民の初等教育機関である寺子屋は一村に1軒以上存在し、江戸時代には全国に8万軒以上存在したと言われている。武士のための藩校や私塾なども含めると、その数は驚異的である。 こうした「江戸の教育力」のおかげで、明治時代になると科学技術の近代化が急速に進み、すぐに西洋列強諸国に追いつき、昭和の高度経済成長期につながった。 その根底には、世界トップレベルの数学力があった。「Singapore Math」
昨今では、教育熱の高いシンガポールが、国際学力調査で高い順位を維持している。 例えば、国際教育到達度評価学会 (IEA)が1995年より4年ごとに実施している国際数学・理科教育動向調育 (TIMSS:Trends in International Mathematics and Science Study)では、2011年,2015年,2019年の調査において、小学校第4学年、中学校第2学年とも、参加国中トップの成績となっているが、日本は第5位前後に低迷している。 もう一つの国際調査である経済開発協力機構 (OECD)の実施するPISA(Programme for International Student Assessment)の2018年調査でも、全参加国・地域内での日本の読解力の順位が15位、数学的リテラシーが6位、科学的リテラシーが5位と低迷している。 シンガポールの国別人口割合は、華人(中華系)が75.0%、マレー系が13.7%、インド系(印僑)が8.8%、その他が2.5%となっている。 面積は、約720平方キロメートル(東京23区と同程度)、人口は、564万人(うちシンガポール人・永住者は399万人)(2019年1月)と、日本以上に資源に頼ることのできない事情がある。 そのため、中継貿易と科学技術によって国の生計を立てる必要があり、英語教育と数学教育への関心は極めて高い。 こうした社会的背景を持つシンガポールは、「日本を見習い、日本を追い越せ」と数学力を高めてきた。 最近のニューヨークの私立小学校では、世界一のレベルを誇る「Singapore Math」の教科書が採用される傾向にある。 シンガポール数学の特徴は、小学校から中学校まで一貫した『バーモデル』で文章題を視覚的に理解させるところにある。 しかし、日本には、「数学」とは表記しないが、数学への導入段階として未知数「x、y、z」などを使わない、世界に例をみない『算数』が義務教育で導入されている。 『算数』には、鶴亀算や方陣算など特殊算と呼ばれる「和算」の流れを汲む文章題の解き方がある。「和算」


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塾長 泉谷顕縦
プラチナム学習会塾長。
21世紀に生きる子どものための幼児教育教室。
大阪を拠点に東京や全国に展開しています。

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